「春の園芸」、始めませんか?

 こんにちは、少しご無沙汰しています。

まだ寒い日が続きますが、気づけば椿や梅は散りはじめ、沈丁花の香りが漂ってきました。気づかない間に春は始まっているようです。


というわけで、coenoeでもささやかながら「春の園芸」特集として、植物にまつわる本の紹介をはじめ、ビカクシダの販売をはじめました。もちろん、これまでご紹介したティランジアもあります。


植物が芽吹いたり、ぐんぐん成長する様子を見るのはとても楽しい経験です。そしてまた、そこからパワーをもらえるような気もします。とはいっても、鉢植えの観葉植物などを育てるのはハードルが高いと思われる方もいらっしゃるでしょう。今回ご紹介したビカクシダは、日の当たる室内でしたらどこでも育てることができ、水やりも、用土が乾く前にあげるだけ、という初心者にぴったりの植物。それでいて、成長が早く、株分けで数を増やす楽しみがあるなど、一度育ててみるとその楽しさにハマるはずです。


また、植物にまつわる本はさまざまありますが、coenoeではちょっと変わった苔の本や、植物が語るエッセイ本?などもご紹介してます。また、coenoeオリジナルの植物モチーフの雑貨もご用意しています。

ぜひこの機会に、楽しい「春の園芸」、始めてみませんか?(土澤)

ビカクシダ bifurcatum(ビフルカツム) | コエノエ | coenoe on the BASE

別名コウモリランと呼ばれるシダの1種。ここ数年、インテリアプランツとして大人気です。ビカクシダは「麋角羊歯」と書くように、シカ(麋はヘラジカのこと)の角にその葉の形が似ていることから名付けられました。原産は熱帯地域。樹木に着生し、株元に張りつくように出た「外套葉(がいとうよう、貯水葉ともいう)」と、鹿の角のような形で、先端に胞子嚢(ほうしのう)群をつける「胞子葉」という2種類の葉から水分を吸収しながら生きる植物です。このビフルカツムはビカクシダの中でも最もポピュラーな種の一つ。比較的低温に強く、よく成長して子株を出すため株分けなどで株を増やす楽しみがあります。また、ビカクシダの中には葉が割れないものもありますが、ビフルカツムは文字通り鹿の角のように細く割れた葉が魅力。ビカクシダの中では比較的小型で、草丈/樹高は成長しても30〜50センチと室内で気軽に育てられます。育て方は至って簡単で、年間を通して日光が当たる室内に置き、用土が乾く前に水を与えます。また、年に1度ほど緩効性化成肥料を置くとより元気に育ちます。○サイズビカクシダ:樹高/草丈:約25センチ/直径約30センチ直径約10センチのガラスの器にココナッツチップが入った用土で植え付けています。※送料につきまして、海外在住の方はお手数ですがお問い合わせください。

ビカクシダ bifurcatum(ビフルカツム) | コエノエ | coenoe on the BASE

『苔とあるく』田中美穂,WAVE出版(古本) | コエノエ | coenoe on the BASE

岡山県・倉敷市にある有名な古書店「蟲文庫」を運営する田中美穂さんの初著作。「蟲文庫」は雑誌で紹介されているのを読んで、いずれ行きたいと思っていたお店。その店主の人が本を出したというので手にとってみた、という出会いでした。その後お店も訪ねましたが、倉敷の美観地区にありながら、立ち並ぶ他のお店とは雰囲気を異にする、味のある古本屋さんでした。お気に入りの古書店の紹介も、いずれこのサイトでやってみたいですね。さて、『苔とあるく』のご紹介。植物の本なので図鑑や育て方ももちろん紹介されていますが、それよりも――たぶんそれこそが苔の魅力だと思うのですが――観察・採集の仕方、標本の作り方などが本書のメイン。学術書というより実用書といった趣で、その楽しさが、「ほったらかしだと、ただのゴミ」、「コケも風に揺れる」など、標語のような言葉とともに語られています。著者はまるで友人か飼っている猫に接するように親しげに苔について語り、苔を見つめ、育てる。その身近な視線がこの本をとても魅力的にしています。本書に出会うまで、肉眼では姿がわかりづらい苔は私にとって、他の植物に比べると鑑賞の対象になりづらい存在でした。でも、この本に導かれるまま10倍のルーペをゲットして観察してみると、それぞれに全く違った姿をし、色も違い、小さな林や森のようにも見えてきます。また、その小さな植物があらゆる地表を、壁面を覆っていると思うとなんだかけなげでもあります。一番驚いたのは、苔について書かれた文学作品があるということ。そんなジャンルがあったのか!とびっくりしつつ、その文章の美しいことにも驚かされます。その一部を抜粋してご紹介します。(土澤あゆみ)※ちなみに写真の苔は、家の庭に生えていたものです。種類は…不明。●苔について/永瀬清子まだここには水と土と霧しかなかった何億年の昔見渡してもまだ泳ぐものも這う者も見当たらなかったおどろの時濠濠の水蒸気がすこし晴れたばかりのしののめおまえは陽と湿り気の中からかすかに生まれたのですなぜと云って地球がみどりの着物をとても着たがっていたからいまでも私たちの傍にどこでも見られる苔よお前は電柱の根っこにもコンクリの塀にもいつのまにか青をそっと刷いているのねまして街路樹の下の小さな敷物敷石のあいだの細いリボンわかるよ地球の望み 地球のほしがるもの冬になっても枯れもせず年中お前はしずかに緑で

『苔とあるく』田中美穂,WAVE出版(古本) | コエノエ | coenoe on the BASE

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